活用事例

補助員・記帳専任職員が活躍!つくるくんで経営計画作成支援の前線に【岡山北商工会】

小規模事業者支援法に基づき、経済産業大臣が認定する「経営発達支援計画」にて、『経営計画つくるくん』を活用し、平成28年度に100件の簡易経営計画の作成支援を目標として掲げている岡山北商工会の方にお話を伺いました。岡山北商工会では、経営指導員だけでなく、補助員や記帳専任職員の方も経営計画作成支援の前線でご活躍されています。

岡山北商工会

岡山北商工会様

地域の商工業者が元気で事業が継続していけるように信頼される経営コーディネーターで在り続けます

所在地 :岡山県岡山市北区御津宇垣1630-1
電話番号:086-724-2131

 

岡山北商工会の経営発達支援計画(PDF)

人物紹介

ご協力いただいた「岡山北商工会」の職員の方をご紹介します。

本部 経営指導員
上道支所 記帳専任職員
本部 補助員
津高支所 記帳専任職員
一宮支所 記帳専任職員
建部支所 記帳専任職員

ヒアリング

経営発達支援事業において『経営計画つくるくん』を活用することについて

つくるくん
経営発達支援計画にて、『経営計画つくるくん』を活用して「100件の簡易経営計画書作成支援を行う」と記載されたのはなぜですか?
杉山支援課長
平成26年から始まった経営発達支援事業においては、経営計画の策定、いわゆる経営計画の普及が中心的役割の一つです。そのためのツールを探していたところ、出会ったのがこの『経営計画つくるくん』でした。
中小機構中国本部の地域支援ネットコーディネーターの松村さん(以下、松村CO)にご紹介いただいたのがきっかけです。
松村CO
そうですね。『経営計画つくるくん』なら比較的取り組みやすいよ、ということでご紹介しました。
杉山支援課長
まず、“数をこなせること”にメリットを感じましたね。「やった」という達成感を味わえますし、それがモチベーションに繋がりますから。
つくるくん
経営計画作成支援における、『経営計画つくるくん』の位置付けはどのようなものですか?
杉山支援課長
『経営計画つくるくん』は、基本的な経営計画を作成するための1番基礎的なツールであると捉えています。このつくるくんを1番の底辺に置いて、それに続くのが各種の補助金申請であったり、経営革新計画であったり・・・そういった位置付けの中で、経営発達支援計画を作って実際に取り組んでいるということです。

 

『経営計画つくるくん』の導入に当たって・・・

つくるくん
『経営計画つくるくん』を導入する際に、難しかったことはありますか?
杉山支援課長
アプリケーションという新しいツールを活用することに関して不安があったかもしれませんが、反対意見というのは特にありませんでした。
導入にあたっては、職員を対象に『経営計画つくるくん』を使った経営計画作成支援のデモンストレーションを行いました。以前、創業補助金申請の際に支援した事業所さんを例に、職員が事業者役、私が経営指導員役になって応対しながらアプリにデータを入力する様子を見せ、こういった形でヒアリングをするんですよ、と示しました。

 

つくるくん
デモンストレーション後は、各自どのように取り組んでもらったのですか?
杉山支援課長
デモンストレーションをしたのが5月で、8月のお盆明けまでに各自3件ずつ作るよう依頼しました。
その中で一番自信のあるものを一件ずつ発表してもらう『経営計画つくるくん』支援事例発表会を、8月下旬に設けたんです。発表会では、 経営計画の中身や出来栄えについて講評し合いました。「作ってみてどうでしたか」、「もう少しこの辺をこうしたらもっと良くなりますよね」というような形ですね。

『経営計画つくるくん』を活用した支援方法について

つくるくん
経営計画はどのような場面で作成されましたか?
杉山支援課長
事業の見直しや振り返りをしていただきたい事業者の方に対して、弊商工会の事務所に来ていただいてヒアリングを行いました。
巡回中に行わなかったのは、商工会の方で必要なデータをある程度掴んでいるケースも多いので、事務所にいる方がデータを管理・参照しやすいですから。
つくるくん
ヒアリングにどのくらいの時間がかかりましたか?
笠原主任
具体的には、事業所に来られてから帰るまで、雑談も含めて1時間ちょっとくらいかかります。ぱっと見てあまりにも日本語がおかしいな、という所だけちょこちょこっと直して、内容とかは変えずにExcel形式で印刷してその場で渡します。
経営計画って聞くともっと長くかかると思っていたみたいで「思ったより短かったなあ」と仰っていました。
つくるくん
それでは、ヒアリングの際に工夫した点はありますか?
杉山支援課長
質問項目の全体像が見えないとヒアリングするときにやりにくいので、中小機構から提供してもらった質問項目フロー図の資料を活用しています
というのが、全体像の中で今どの質問をしていて、後どれくらいの質問があるのかが分からないと事業者さんもやりにくい。ということで、ヒアリングする際には、A3サイズに印刷してラミネート加工したものを補助ツールとして使用しました。
表には質問項目のフロー図、裏には質問項目が書いてあるんですけど、これを事業者の方に実際に見せながら、全体像や進捗を視覚でわかるようにしてやらせていただいています。

『経営計画つくるくん』の便利な点、不便な点について

つくるくん
実際に『経営計画つくるくん』を使ってみて、感じたことはありますか?
山本主任
選択肢から選ぶだけなので、経営計画書が簡単に作成できる点は便利だなと思いました。
菅主事
選択肢が少ないのと、きちんと文章になって出てくるのがいいと思います。
岡主幹
入力すればちゃんとした形になる、成果物ができるというのがいいですね。
ただ、ウイザードで作ってそのままExcelに出力すると、日本語にならないところがあるので直す必要がありますね。それをどこまで加工していいのか、という戸惑いはありました。
杉山支援課長
そうなんですよね。最初なので、まずは必要な情報をなるべく多く引き出すことに力点を置いてもらうことにしました。日本語に直す作業をすることで、最初にヒアリングしたときの意図がずれてくる可能性があるので。
慣れて来たら、次は文章にすることに少し注力してもらおうかな、と考えています。
岡主幹
あと、売上や利益の額と順位を入力する項目がありますが、事業者さんは種類ごとの売上をそこまで区別して考えていない方も多いと思うんです。今回は、記帳代行業務をさせてもらっている事業者さんの支援をしたので、何とか分けられたところもありましたが、大変でしたね。
森主任
私は、インタビュー形式でヒアリングを進めていくのですが、アプリ画面に表示されている文章のまま伝えてしまうと相手も理解できないので、それを自分なりに、業者さんにあった言葉に置き換えるのが難しかったです。
事業者さんがご自分で入力していく分には、まだ考えて進められると思います。でも、こちらが質問していく形式にすると、相手は受身なので工夫が必要になると思います。

印象に残った企業について

つくるくん
ヒアリングをしていて印象に残っている企業さんはありますか?
山本主任
従業員3名ほどのラーメン屋さんが印象に残っています。今までは、売上の区分が大雑把な管理になっていたんですけど、今回の支援で「売上の内容を分けませんか?」など、色々なアドバイスができました
森主任
開業間もない、従業員3名くらいの接骨院の事業者さんが印象に残っています。
すごく意欲のある方で、記帳代行の支援業務では知らなかった内容まで突っ込んで聞くことができました。
杉山支援課長
私も見せてもらったんですけど、この人はこういう夢をもってるんだと分かりました。最後の項目「今後の方針」を見て、「こういう夢とか希望を持っているなら、こういったお手伝いができないかな」と思いましたね。
時には夢を語ることもあるんでしょうけど、なかなか面と向かっては出てこなかったりしますので
笠原主任
私は、宝飾業をされている70代の事業者さんが印象に残っています。自宅で貴金属等をデザインして作ったり、修理したりしていらっしゃる方で、年齢も年齢だしあまり経営計画とか考えたことはなかったようなんです。
その方が『経営計画つくるくん』を通じて、今までは年配の方向けのデザインだったのを新たに若い人向けも検討されていらっしゃいました。帰り際は「もうちょっと頑張りたい。頑張ろう。」と言って帰られましたね。

最後に・・・

つくるくん
これから『経営計画つくるくん』を使って、中小企業・小規模事業者支援をされる方にメッセージ等あればお願いします!
森主任
今までも事業者の方と経営のお話はしていましたが、経営計画のようなことを話したことはありませんでした。『経営計画つくるくん』での経営計画作成を通じて、その人の“夢”を聞くことができて、それを経営指導員さんに伝えられるようになりました。
菅主事
今までは、経営計画は作っていなかったのですが、これからは『経営計画つくるくん』を使って支援をすることによって、補助金などの入り口にも立っていただきやすくなるのかなと思います。
松村CO
普段記帳代行業務をしていると、事業者さんと経営計画のことは話しませんよね。でも事業者さんにとっては記帳代行業務をする皆さんが一番身近で、「記帳代行だけしてくれる職員さんだ」と思っていたところを、「経営計画や売上計画はどうしましょう」と相談に乗ってもらえるとなると、事業者さんにとっては非常にメリットです。
今や、補助員や記帳専任職員の皆さんも、「経営計画はちょっと・・・」という時代ではなくなっていますので。
杉山支援課長
あまり肩肘張って経営計画をつくろうとは思わないのがいいんだろうと思います。
『経営計画つくるくん』の何が一番いいかというと、「ああ、この人はこういうことを考えていたんだ」ということが分かるところです。そのことに対して、我々がどういう支援ができるのかを考えるのが大切だと思います。
笠原主任の話で、ちょっとご年配の方で「頑張ろう」と仰って帰られた方がいらっしゃいましたが、「もうそろそろ終わりかな」と仰っていた方に「もっともっと続けよう!」とか「まだまだこれからもやっていこう!」という気持ちになってもらえることが大切なんだと思うんです。そういう想いを我々支援者がつかんだり、事業者の方に持ってもらったりするためのツールですよ。
つくるくん
岡山北商工会の皆様、お忙しいところありがとうございました。
 2017年3月29日
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