経営計画はなぜ必要なの?
経営は、行き当たりばったりで上手くいものではありません。将来にわたって事業を継続させ、目標を達成するためには、そこに至るロードマップが必要になります。その役割を果たしてくれるのが「経営計画」なのです。
経営計画をつくるとどんな効果があるの?
道に迷わない
経営計画を持たずに経営を行うことは、地図を持たずに旅をすることと似ています。地図があれば、見知らぬ土地でも迷わず目的地に到着することができるように、きちんとした計画があれば、目標にむかって一歩一歩近づいていくことができます。
他人と共有できる
いくらりっぱな構想を持っていても、頭の中にあるだけでは、他人に理解してもらうことは難しいでしょう。経営計画をつくることで、頭の中の考えが見える化され、他者と共有できるようになります。その結果、周囲の協力も得やすくなります。
信用力が高まる
無計画な人物は信用しにくいと思いませんか?これは企業も同じです。しっかりとした計画を持つ会社は社会から信用され、結果的に取引や融資の場面で役に立つでしょう。
組織がまとまる
チームや組織で仕事をする場合は、目標が共有できていないと統率がとれなくなってしまいます。メンバー全員が経営計画を共有することで、一丸となって頑張ることができるでしょう。
経営計画の作りかた
経営計画をつくるための4つのステップ。
- 自社のことを知る
- 周囲のことを知る
- 将来の目標を定める
- 目標を達成するための方法を決める
はじめて経営計画をつくるときには、上記のステップに沿って考えていくとよいでしょう。それぞれのステップの結果を「経営計画つくるくん」に入力していけば、基本的な経営計画書が完成します。
①自社のことを知る
経営計画をつくるには、まず自社のことを理解する必要があります。自社の現在の姿を客観的に眺め、強みはなにか?弱みは何か?どのような経営資源を持っているのか?足りないものは何か?などをしっかり把握しておきましょう。
- 現在の自社の状態を把握します。
- 自社の基本的な情報や現状の姿を書き出してみましょう。
現状の売上高や利益構成はどうなっているか、主要な顧客はだれか、主要な商品は何か、顧客にとってのメリットは何か等、客観的に把握することが大切です。
→『経営計画つくるくん』では[企業概要]、[事業コンセプト]に入力します。 - 自社の強みと弱みを理解する。
- 強みは、市場で戦っていくための「武器」となるものです。自社の強みをきちんと理解しておきましょう。
→『経営計画つくるくん』では[自社分析]に入力します。
②周囲のことを知る
次に、自社をとりまく環境についての情報を整理しておきましょう。企業は、顧客のニーズ、競合の動向、社会情勢の変化など、様々な環境の変化に常にさらされています。経営計画をつくるためには、そのような変化を予測し、自ら適応していかなければなりません。外部環境には様々な要素がありますが、まず注目するのは市場動向と競合の状況です。
- 市場の動向
- 現在対象としている市場の将来性について、把握しておきます。今後も拡大が見込めそうか、あるいは、減少していきそうか、しっかり予測をたてましょう。
→『経営計画つくるくん』では[市場分析]に入力します。 - 競合の状況
- ビジネスには必ず競争があります。どんな会社が競合となってるのか?競合は何社あるのか?競合はどんな戦略をとっているのか?等について、しっかり理解しておく必要があります。
→『経営計画つくるくん』では[競合分析]に入力します。
③将来の目標を定める
将来の目標を設定します。経営計画は一般的に5年を単位としてつくる場合が多いですが、まずは3年後の目標を立てるところからはじめましょう。目標は売上高や店舗数、従業員数など、具体的なものにすると良いでしょう。期限を設けることも大切です。
- 目標
- 目標は具体的に数値で表します。経営の結果は売上となって現れます。したがって、売上と利益の数値目標を定めることが必要です。
→『経営計画つくるくん』では[3年後の目標]に入力します。 - 事業領域
- 目標を達成するために、事業領域を見直してみましょう。事業領域は「製品・サービス」と「市場」の組み合わせで考えることができます。そして、それぞれを「既存のもの」か「新しいもの」かで分類すると、4通りの方向性を導くことができます。自社をどの方向へ成長させていくのかをはっきりさせることで、やるべきことが見えてくるはずです。
→『経営計画つくるくん』では[3年後の目標]に入力します。
④目標を達成するための方法を決める
最後に、目標を達成するための方法をはっきりさせましょう。そのためには、上の項目で決めた成長の方向性を、より具体的に設定することが必要です。事業の領域は、以下の3つの要素で定義することができます。それぞれの要素について、具体的なイメージを描いてみましょう。
- 誰に
- あなたの事業のターゲットは、どんな人(あるいは会社)でしょうか。
ターゲットを定めるときは、年齢・性別・居住地域・家族構成等の統計的な情報と、趣味・ライフスタイル・価値観といった内面的な要素も考慮するようにしましょう。 - 何を?
- あなたの会社は、ターゲットに対してどんな商品やサービスを提供しますか?
また、ターゲットはその商品・サービスの機能を通じて、どんな価値を受け取るでしょうか?
ターゲットは商品やサービスから受け取る価値が大きいほど、あなたの会社を強く支持してくれるでしょう。 - どのように?
- あなたの会社はどんな設備や技術を使って、その「価値」を生み出していきますか?
これは、あなたの会社の経営資源と密接に関係しています。ほかの会社には真似のできない特徴があれば理想的です。 - →『経営計画つくるくん』では[目指す方法]に入力します。
経営計画をつくったらどうするの?
もちろん、しっかり実行していきましょう。つくりっぱなしでは意味がありません。
経営や意思決定に関わる関係者と共有し、協力体制をつくっておきます。
計画を実行していくために、社員全員で役割分担をしていきます。経営計画では、たとえば「今月中にやること」までは決められていないかもしれません。実際の担当者と相談しながら、細かい実行可能なタスクに落とし込んで行きます。
実行段階に入ったら、定期的に進捗を確認します。数値目標が明確であれば、達成度の評価がしやすくなり、改善策がとりやすくなります。
参考:WizBiz株式会社(2013)J-Net21―はじめて経営計画をつくる https://j-net21.smrj.go.jp/establish/handbook/theme/build/know-how04.html(2016年7月15日参照)